転職理由は人それぞれ。でも、実際のデータに基づいて見てみると、40代の多くが抱えている本音が見えてきます。
私もITエンジニアとして20年近く働いてきましたが、40代に差し掛かった頃、周囲にも自分にも転職を考える場面が増えてきました。
今回は、リクルートエージェントが公開している40代の転職のきっかけランキングをもとに、私自身が共感した点や体験したことを交えて「40代のリアルな転職理由トップ5」を紹介します。
1位:労働時間・環境が不満だった(36.1%)
一番多かったのは「労働時間や職場環境への不満」でした。
私もまさにこれが一番の理由でした。
会社内やプロジェクト内での立場も上がっていく中、長時間労働は避けられない方も多いのではないでしょうか。
体力的に無理がきかなくなってくる年齢であることもあり、平日は家に帰っても疲れて何もできないという話もよく聞きます。
そのような状況がいつまで続くのか、現在の職場で将来が見えないことも要因の一つと思います。
2位:会社の将来に不安を感じた(30.6%)
会社の業績や方向性に不安を感じて転職を決意するケースも非常に多いようです。
私の前職では、毎年順調に売上を上げてはいましたが、経営陣からは長期的なビジョンが見えてこず、管理職にはビジョンを持つよう指示されている状況でした。自由な社風とも言えますが、それならフリーランスとして働いた方が気楽ではと考えることもありました。
「ここに残っていて、自分の10年後はどうなるだろう」「もし昇進したときに、部下に対してどのよううに説明すればよいのだろう」といった不安が、転職を考え始めた大きな要因のひとつでした。
3位:給与が低かった(29.2%)
責任も業務量も年々増えていくと思いますが、給料が増えない方が多いようです。
20代〜30代では「経験を積む時期」と納得していたが、40代になると「このままでは将来設計が立てられない」と危機感を覚える方も多いようです。
転職活動をしてみると、「同じスキルでも他社の方が評価が高い」こともあります。逆に、「思ったよりももらえていた」ことが分かるケースもあるでしょう。給与はスキルによって決まるのではなく、業種や企業によって決まることを実感できると思います。
4位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(29.2%)
私の場合、前職で上司を含む人間関係に恵まれていたこともあり、あまり共感できない理由でした。ただ、会社内での立場が上がっていくと、社内の力関係や政治的な動きも気になるようになります。それもあって、納得できない仕事を割り振られたり、他の部署と評価に差(贔屓)があるような場面に気づいてしまい、不満に感じることはありました。そのように感じている方が多いのかなと思いました。
5位:年収を上げたかった(27.8%)
これは3位の「給与が低かった」と似ていますが、もっと前向きな理由とも言えます。
私自身、スキルを磨いてきたつもりだったので、「その努力が正しく評価される環境を探したい」と思ったのが転職の動機でもありました。
実際、転職先では経歴を高く評価してもらい、こちらの希望条件を満たせる企業から内定を貰うことができました。
自身の経歴を必要としてくれる会社があることを知れただけでも、転職活動してよかったと思っています。
おわりに:40代の転職は「不満」ではなく「前進」のきっかけ
このランキングを見て、「ああ、自分だけじゃなかったんだ」と思った方もいるのではないでしょうか?
私もそうでした。
40代で転職を考えるのは、「不満」や「逃げ」ではなく、これから先をよりよく生きるための“前向きな決断”なんだと実感しています。
悩んでいるなら、まずは情報収集からでもいい。
行動することで、自分の本当の価値に気づけるかもしれません。